2014年3月11日火曜日

コンサート情報:渡邉規久雄 ピアノ・リサイタル


 今春オープンの新ホールで聴く荘厳なピアニズム
渡邉規久雄 ピアノ・リサイタル





2014年7月13日(日)
於:よみうり大手町ホール 14時30分開演



~Program~

リスト:バッハのカンタータ 「泣き、嘆き、憂い、おののき」 BWV12 の動機による変奏曲
Liszt : Variationen über das Motiv von Bach S.180 / R.24

 リスト:「詩的で宗教的な調べ」 より ”孤独のなかの神の祝福”(第3曲),”葬送曲” (第7曲)
Liszt : Harmonies poétiques et religieuses S.173 / R.14 A158
"Bénédiction de Dieu dans la solitude" "Funérailles"

 シベリウス:ソナチネ第2番
Sibelius : Sonatina No.2 in E Major op.67-2

ラフマニノフ:ピアノ・ソナタ第2番 (1913年原典版)
Rakhmaninov : Piano Sonata No.2 in b-flat minor op.36



※コンサートの詳細は、ジャパン・アーツの公式ページでご確認ください。





久々のリストとラフマニノフへの期待!

《公演に寄せて》
 渡邉規久雄さんといえば、2003年、シベリウス没後50年の2007年、そして2010年と開催してきた一連のシベリウス・リサイタルの名演をどなたもすぐに思い浮かべられることだろう。たしかにシベリウスは、フィンランドのDNAを 持つ彼がライフワークとする作曲家だが、しかし、彼のレパートリーはシベリウスに留まるものではなく、リストとラフマニノフも昔から得意としている。今回 のリサイタルではシベリウスと並んでこの両作曲家がとりあげられるのは嬉しい限りだ。まず前半はリスト。ならば、愛と情熱に満ちた奔放華麗なピアニズムの 炸裂か、と思いきや、選ばれたのは『バッハのカンタータ「泣き、嘆き、憂い、おののき」BWV12の動機による変奏曲S.180』、および、『詩的で宗教的な調べS.173』から第3曲「孤独の中の神の祝福」と第7曲「葬送」という宗教色の濃い、おとなの逸品3曲。「リストの音楽の内面的な魅力と祈りを感じる曲に惹かれる」と語る規久雄さんが、リストの生涯を貫いた強い宗教的志向と敬虔な祈りを、どのようにピアノの音にのせてくれるか、興味は尽きない。
 後半はシベリウス『ソナチネ第2番ホ長調』から始まる。彼はこれまでにシベリウスのソロ・アルバム3枚をリリースしているが、このソナチネはどれにも収載されていないから、新録音への布石かも知れない。それを先取りしてリサイタルで聴けるとは、ちょっぴりお得感がある。 そしていよいよ、とどめの一撃はラフマニノフのソナタ2番の1913年原典版だ。このソナタは現在でこそピアノ・リサイタルの花形曲のひとつで、原典版、1931年改訂版共に楽譜はたやすく手に入る。ところが、30年以上前に彼がリサイタルで採りあげた当時は、原典版楽譜の入手が叶わず、来日中のアシュケナージに頼み込み、楽譜を借りたことが今は懐かしい思い出だという。実はアシュケナージは数小節だけ原典版と改訂版をミックスさせているそうで、今回もその版で演奏される。
 竣工なった新ホールに響く、規久雄さんお得意のリスト、シベリウス、そして、ラフマニノフ。これは絶対に聴き逃せない!!

萩谷 由喜子(音楽評論家)