2012年3月23日金曜日


紀尾井ホールのリサイタル「調の秘密Ⅰイ長調」が終わりました。




今回も調律の川真田さんが最後まで丁寧に楽器の調整をしてくださいました。






                                 
リハーサルでは舞台上で自分に聴こえてくる響きや手の動き、会場の客席での響きをチェックしながらピアノの位置を決めます。
ステージマネージャーの安斎さんと川真田さんに協力していただいてピタッとくる場所を決めた後は開演1時間前までおよそ2時間のリハーサルです。



                  

当夜は幸いお天気にも恵まれて大勢のお客様に来ていただきました。

今回の3曲のイ長調のソナタによるリサイタルは私にとって大きな挑戦でしたが、
本番では思いもかけない落とし穴(?)も。。。。
うーんやっぱりピアノを弾くのは体力と集中力がいる仕事です!
音楽に集中しているつもりでも頭と手が連動しないもどかしさ。。。

なかなか自分では気持ち良い演奏は出来ないものですが、次回「変ロ長調」に向けて
また新たな気持ちを引き締めて臨みたいという思いです。


                       
開演前ロビーのお花の前でマネージャーの伊藤さんも一緒に


ステージマネージャーの安斎さん、いつもありがとうございます!

2012年3月21日水曜日

3月×日

紀尾井ホールに22日のピアノ選びに行ってきました。
20回近くも弾いてきた紀尾井のピアノですが、ピアノは毎回舞台の上で二台並べていただきチェックします。 弾く曲によって楽器の特性が発揮されることもあるのです。
どちらも良い楽器ですが、片方が華やかめ、もう片方がしっとりと落ち着いた感じといえるでしょか?私は2,3分弾くとすぐにその楽器の特性に慣れてしまう方なので、本当は弾けば弾くほどわからなくなって悩みます。客席で響きをチェックしてもらい、今回もまた先回と同じ楽器に決定しました。



3月×日

毎日の練習で酷使する手はそろそろ限界。
夜はお風呂で両手のひらを左右にバタバタと30回くらい振るストレッチをするのが良いと
スポーツマッサージのトレーナーの方に聞いてからは毎日実行しています。
寝る前にはアミノ酸を飲んで、翌日に疲れを持ち越さないように。。。




3月×日
今日は22日のリサイタルの衣装をあれこれ試してみました。
今回は久しぶりにウィーン古典派のソナタの夕べとなるのでちょっとクラシックなドレスが良いかと。。。どこか民族衣装のような雰囲気のするドレスを試してみると、わっウェストが!やっぱりきついのです。あわててデビューの時から衣装を作ってくださっている永島先生にご連絡するとすぐに直してくださることに。 先生有難うございます!
リサイタルでは毎回衣装を楽しみにしてくださっているお客様も多いので、あれこれふさわしいデザインを考えますが、直前まで体型が変わるのも悩みの種です!
今回は春にふさわしい明るい衣装で。








2012年3月13日火曜日

さてプログラムの後半はシューベルトの遺作のソナタイ長調D959です。

もともと今回の企画はシューベルトの3曲の遺作のソナタの調性、ハ短調、イ長調、変ロ長調を基本に組み立てたものです。
シューベルトの遺作の3曲のソナタの中で今回初めて弾くのがこのイ長調のソナタ。
数か月前から練習を始めていてそれなりに形になってきたと思っていたのに、富山から帰って練習に戻ると全くどこかへすっ飛んだように哀れな状態。。。本番まであと10日しかないというのに途方に暮れる私です。自分の中でまだ充分に熟していなかったのですね。
とにかく若い時とは比べものにならないくらい勉強に時間がかかり、特に暗譜には数倍の時間がかかり情けなくなります。

シューベルトのソナタの語りかけるような歌に満ち次々に転調していく音楽はまるで物語を聴いているよう。
このソナタの第2楽章がまた絶品。
旅人がひとり孤独な道を淡々と歩いていく姿。とそこに劇的な嵐のような中間部が出現します。
そして即興風のレジタティーボのようなやりとりを経て(まるで天からの謎かけにこたえるような旅人!)旅人はまたもとの孤独の道を歩き続けます。

軽快な第3楽章スケルッツオの後の長大な第4楽章はピアニスト泣かせのこれまた転調の繰り返しです。
どこまでも続くような長ーい道のり。。。いつまでも続く美しい歌。。。どうぞ迷子になりませんように。。。。と練習に励むのみです。

2012年3月12日月曜日

「春の祭典」とラフマニノフのレコーディングでこの数週間中断ししていた3月22日の紀尾井ホールのソロリサイタルの準備に戻りました。

今回のリサイタルは曲の調性を統一したシリーズ「調の秘密」の第1回目、イ長調です。
モーツァルト、ベートーヴェン、シューベルトのイ長調のソナタ三曲ですが、ソナタ様式で書かれた
ウィーン古典派のソナタでもこんなに違うなんて。。。。

モーツァルトはあの有名な「トルコ行進曲付」ソナタですが、第1楽章はモーツァルトが得意としたテーマと変奏曲、2楽章はイ長調のメヌエット、3楽章が行進曲という変則的なソナタです。
全体に優美で装飾に満ちた、いわばギャラントでモーツァルトの即興的遊び心に満ちた曲。
あまりにも有名で誰でも知っている曲ですが、この曲のポイントは全楽章がイ長調であること。
それ故に演奏が難しいといつも感じています。(トルコ行進曲はイ短調で始まるものの最後はイ長調で終わります)ああモーツァルトはなぜイ長調にこんなにもこだわったのでしょう?
ソナタ形式の「お約束事」に全く反したソナタと言えます。


ベートーヴェンの作品101のソナタ28番は、ベートーヴェンのいわゆる「後期のソナタ」と呼ばれているソナタの最初の曲ですが、この曲でベートーヴェンは大きな変貌を遂げました。
大胆、かつ革新的な発想に満ちたソナタです。



幻想的な第1楽章はドミナントで始まりイ長調の主和音はなかなか出現しないので、調性が確定しない感じがします。続く第2楽章はイ長調とは遠いと思われるへ長調の明るいマーチ。そして心の底に奥深く沈んでいくような想いの第3楽章はこの曲のいわばおへそのような存在。ここからが私の一番好きな部分です。

          自筆譜 1楽章のテーマが出現する4楽章への導入部

ベートーヴェンはこの短い第3楽章から第4楽章への導入に第一楽章のあの幻想的な出だしのテーマを出現させます。
ベートーヴェンは作品27の1の変ホ長調のソナタですでに循環形式を使っていますが、その後のロマン派作曲家に大きな影響を与えたものですね。

そして爆発的で躍動感に満ちたこれぞイ長調という第4楽章!その中間部にフーガが登場するのです。ソナタの楽章内にフーガを用いたのはベートーヴェンのその後に続く後期のソナタの特徴ですが、これも全く新しい試みです。
この作品101のソナタは全体が1つになったような楽章の切れ目があまり定かでないのが特徴ですが、決して永くはない曲なのに音楽が凝縮していて演奏にはとても集中力が必要です。。。!
20代の初めにウィーンのアカデミーの卒業演奏で弾いて以来何度か時を置きながら弾いてきた曲ですが、今回数年ぶりに弾いてみてあらためてこの曲の凄さ!に圧倒されます。


2012年3月10日土曜日



37日から9日までの3日間富山県上市の北アルプス文化センター渡邉規久雄との二台ピアノのCD録音をしました。


今回はストラビンスキーの二台ピアノ版「春の祭典」とラフマニノフの組曲2の録音ですが、7日朝富山空港に降り立つと思ったより暖かく、畑に雪は残っているものの、すでに春を感じさせる柔らかな空気です。





立山連山のふもと上市からの山々はあいにくかすんで見えませんでしたが、景色の良い素晴らしい環境です。







調律の小畔(コグロ)さんは二台のスタイウェイの調律を丹念にしてくださいました。、オクタヴィアレコードの江崎社長はじめスタッフの方々で今回は豪華に7本のマイクを立ててのセッティングが始まっていました。

「春の祭典」20世紀を代表するストラビンスキーの名曲ですが、大編成の金管、木管楽器と打楽器の原始的リズムが織りなす大オーケストラの効果をいかに二台のピアノで表現するかが大きな課題です。音量ではさすがにオーケストラの迫力は再現できませんが、ピアノならではの澄んだ響きと緊張感のある音楽づくりに挑戦です。
なんといってもあの複雑なリズムを再現するには2人の呼吸がピッタリ合わないとなりません。常にテンポのチェックをしながら進めました。



録音中は極度の集中力をもって極限まで手を酷使するので、楽しみは休憩時間の食事です!お昼には名物の「そうめん」を食べに雪がまだかなり残る山の中の食堂へ。








 夜は富山市内の魚料理の名店「漁火」でゆでたての大きな柔らかなカニ、口の中でとろけるような絶妙な焼き具合の「のど黒」の塩焼き、白エビのから揚げ、アマダイの塩焼き。。。。。そしてもちろん銘酒「立山」を堪能しました。







緊張感を持っての3日間の録音。
なんとか最初の2日間で「春祭」をとり終わり、2日目の夜にはラフマニノフの1楽章を。そして3日目には2,3.4楽章を東京へ帰る最終飛行機便の2時間前に無事にとり終えました!!!
難曲に挑んだ奇跡のような3日間。ディレクターとの信頼関係のお蔭で新しい発見をしながらの貴重なレコーディングとなりました。


私達二人を支えてくださったオクタヴィア レコードの江崎社長、小野さん、岩崎さん、皆川さん、調律の小畔さん、譜めくりをしてくれた桐朋学園大学院卒業生の持田桜さん、横田絵里さん、
      スタッフのみなさん本当に有難うございました!!!



今回は超特急で編集も始めてくださっていますので4月末の完成発売が楽しみです。











2012年3月8日木曜日

演奏活動

次回のコンサート予定:

寺田悦子 ピアノ・リサイタル
シリーズ“調”の秘密〈第1回〉
~優しくて朗らかな春の響き・イ長調~
2012年3月22日(木)
於:紀尾井ホール 19時開演

※コンサートの詳細は、こちらでご確認ください。



今後のコンサート予定:

日本演奏連盟第24回
クラシックフェスティバル

PIANO×PIANO
2012年4月19日(木)
於:東京文化会館大ホール 18時30分開演

※コンサートの詳細は、こちらでご確認ください。

寺田悦子&渡邉規久雄 ピアノデュオ
2012年7月13日(金)
於:ザ・フェニックスホール 14時開演

※コンサートの詳細は、こちらでご確認ください。




これまでのコンサートについては、過去の演奏記録をご覧ください。